着物があるのに着られないあなたへ ― タンスの前で立ち止まる理由と今日できる一歩 ―

こんにちは😊
着物コーディネーターのYOKOです。

最近タンスの前に立って、「着物、着たいな…」と思いながら
そっと扉を閉めたことはありませんか。

私は、何度もあります💦

着物は好き。でも、
・ちゃんと着られるか不安
・変に見られないかな
・間違っていたら恥ずかしい

そんな気持ちが先に立って、
結局いつもの服を選んでしまう。

「着物があるのに着られない」
そんなあなたのために書きました。

着物が着られないのは、センスがないからでも
根性が足りないからでもありません。

「ちゃんとしなきゃ」という思い込みが心にブレーキをかけているだけ。

私は貸衣裳の仕事をしながら、たくさんの女性と着物に向き合ってきました。

そこで感じたのは、着物を遠ざけている一番の理由は技術ではなく、気持ちだということ。

私たちは難しいルールや完璧な着方はお伝えしません。

代わりに、
・なぜ一歩が踏み出せないのか
・どうすれば気持ちが軽くなるのか
・今日からできる小さな行動

そんなお話を、私自身の経験も交えながら綴ってみました。

読み終わったとき、
「よし、ちょっと羽織ってみようかな」
「袖を通してみようかな」
そう思ってもらえたら嬉しいです。

着物は、特別な人のためのものではありません。

今を楽しむための道具です。

あなたと着物の距離を少し近づけるきっかけになりますように。

タンスの前で立ち止まる理由と、今日できる一歩

第1章|着物があるのに着られない本当の理由

着物がタンスにあるのに、なかなか袖を通せない。
それは、着物が難しいからでも、あなたに向いていないからでもありません。

多くの方が無意識のうちに、「ちゃんと着なきゃいけない」
という思い込みを抱えています。

帯はこう結ぶべき。
衿はこの角度で。
季節や格を間違えたら恥ずかしい。

知らないうちに、着物は「楽しむもの」ではなく
「間違えてはいけないもの」になってしまった。

だから着物を前にすると、ワクワクより先に不安が出てくるのです。

もうひとつ、大きな理由があります。
それは、人の目

「変に見られないかな」
「年齢に合ってないって思われないかな」
「着物警察に何か言われたらどうしよう」

そんな声を、たくさん聞いてきました。

でも、実際に外を歩いてみるとどうでしょう。
あなたが思っているほど、人は他人の着物を見ていません。

多くの人は、自分のことで精一杯です。

それでも怖くなるのは、
「失敗したら恥ずかしい」という感覚が心の奥に残っているから。

着物は、一度失敗すると取り返しがつかないものではありません。
少し衿がずれても、帯が完璧でなくても、
それで価値が下がることはない。

それなのに、着物だけは「完璧」を求められてきました。

だから、着たい気持ちがある人ほど
一歩が踏み出せなくなってしまうのです。

ここまで読んで、「私のことだ」と感じたなら、
それはあなたが着物を大切に思っている証拠。

その思い込みがどこから来たのか、そして、どうすれば楽になれるのかを
一緒に紐解いていきます。

第2章|着物は“特別な日”のものじゃない

いつから着物は、
「特別な日に着るもの」になったのでしょうか。

成人式、結婚式、七五三。
写真に残る日、失敗できない日。
そんな場面ばかりが思い浮かぶと、
着物はだんだん遠い存在になっていきます。

でも本来、着物は日常着でした。

特別な知識がなくても、
少しくらい着崩れても、
誰かに注意されることもなく、
生活の一部として着られていた。

それが時代とともに、着物は「正しく着るもの」
「失敗してはいけないもの」へと姿を変えていきました。

着物を着ることが、楽しみよりも緊張を生むようになったのです。

貸衣裳の仕事をしていると、こんな声をよく聞きます。

「ちゃんとした場じゃないと、着ちゃいけない気がして」
「気軽に着るのは、もったいない気がして」

でも、それは逆です。

着物は、着てもらわない方が、もったいない。

タンスの中で眠っている時間が長いほど、
着物は固くなり、気持ちも遠ざかってしまいます。

着物は着る人の体に馴染み、動きに合わせて育っていくもの。
しまい込んだままでは、その良さは発揮されません。

大切なのは、「特別な日を待つこと」ではなく
着る回数を増やすこと

家で羽織ってみる。
近所まで出てみる。
誰かと会う予定がなくてもいい。

着物は、完璧な姿でなくても、あなたの毎日に寄り添えます。

それでも心に残る「怖さ」や「不安」の正体を見つめながら、
どうやってそのブレーキを外していくかをお話しします。

第3章|最初の一歩を止めている“心のブレーキ”の外し方

着物を着ようと思ったとき、頭の中に浮かんでくる声はありませんか。

「今日はやめておこう」
「もう少しちゃんと準備してから」
「今じゃない気がする」

それは、怠けているわけでも本気じゃないわけでもありません。

多くの場合、その正体は 完璧を求める気持ち です。

着物は、
「ある程度でいい」が許されにくい世界でした。
だから知らないうちに、“ちゃんとできる日”が来るのを
待ち続けてしまいます。

でも、その日はなかなかやってきません。

なぜなら、完璧な準備が整う日は存在しないから。

そこで、心のブレーキを外すために
大切にしてほしい考え方があります。

それは、「今日はここまででOK」
と自分に言ってあげること。

帯がうまくいかなくてもいい。
衿が思った通りじゃなくてもいい。
それでも、着物に袖を通した事実は消えません。

もうひとつ、ブレーキを強くしてしまう原因があります。
それは、人と比べてしまうこと

SNSで見かける素敵な着物姿。
自分とは違う、完成された世界。

でも、あの人たちにも最初の一歩があったはずです。

比べるべき相手は、昨日の自分だけ。

昨日はタンスを開けただけだったなら、
今日は羽織ってみる。
それだけで十分です。

そして、どうしても不安が消えない日は、
無理に外へ出なくてもいい。

家の中で着て、鏡の前に立ってみる。
それだけでも、心は少しずつ慣れていきます。

着物は、慣れとともに
「怖いもの」から「心地いいもの」へ変わっていきます。

いよいよ具体的に、今日からできる小さなアクション
3つご紹介します。

第4章|今日できる、3つの小さなアクション

ここまで読んでくださったあなたは、もう「着物を着たい気持ち」に
ちゃんと気づいている人です。

あとは、大きな決意ではなく小さな行動だけ。

今日は、そのための3つのアクションをご紹介します。


① 家で羽織るだけでいい

まずは、外に出る必要はありません。

長襦袢も、帯も、完璧じゃなくていい。

着物を取り出して、羽織ってみるだけ。

それだけで、「着物=大変」というイメージが
少しずつほどけていきます。

鏡の前で「意外と悪くないかも」
そう思えたら、それで十分です。


② 帯を気にしない日を作る

帯があるから、着物が難しく感じる。
そう思っている方はとても多いです。

そんな日は、帯を頑張らない日を作ってください。

半幅帯でもいい。
簡単な結びでもいい。
少し形が崩れてもいい。

「今日は練習の日」そう決めるだけで、
心はぐっと軽くなります。


③ 「着てみたい場所」を1つ決める

いきなり人の多い場所へ行く必要はありません。

・近所の神社
・お気に入りのカフェ
・友だちとのランチ

「ここなら大丈夫そう」
そんな場所を1つだけ決めてみてください。

着物は、“着る場所”が決まると
一気に現実になります。


この3つは、どれも完璧じゃなくていい行動です。

でも、確実に一歩前に進める行動。

着物は、考えているだけでは近づいてきません。

でも、ほんの少し触れてみるだけで、
驚くほど距離が縮まります。

着物を通して感じられる心の変化についてお話しします。

第5章|着物は、人生を楽しむための道具

着物を着ると、少し背筋が伸びる。
歩くスピードが変わる。
呼吸が深くなる。

それは、誰かに見せるためではなく、
自分の内側が整うから。

着物には、
「ちゃんとしなさい」ではなく
「今ここにいなさい」
と教えてくれる力があります。

忙しい毎日の中で、私たちはつい先のことばかり考えてしまいます。

でも着物を着ていると足元や所作、今の自分の体に意識が向く。

それは、自分を大切に扱っている時間そのものです。

着物を着ることは、誰かになることではありません。
立派な人になることでもない。

今の自分を、そのまま受け入れること。

似合うかどうかより、上手に着られるかどうかより、
「着たい」という気持ちを大事にしていい。

着物は、人生を変える魔法ではありません。

でも、人生の中に小さな勇気をくれる道具です。

タンスの中の着物に、風を当ててあげてください。

それはきっと、あなた自身の心にも風を通してくれます。


おわりに

ここまで読んでくださって、
本当にありがとうございます。

もし、
「一人で着るのはまだ不安」
「誰かと一緒ならできそう」
そう感じたら、
無理に頑張らなくて大丈夫です。

着物は、
一人で楽しんでもいいし、
誰かと楽しんでもいい。

私は、
そんな“最初の一歩”を
一緒に踏み出す場を
定期的に作っています。

最後に、この投稿を読んでくださったあなたへ
ひとつだけお願いがあります。

今日、タンスを開けてみてください。
着なくてもいい。
触れるだけでいい。

それだけで、もう一歩進んでいます。

もし、
「一人で着るのは、まだ少し不安」
「誰かと一緒なら、できそう」
そう感じたら、無理をしなくて大丈夫です。

私は、
着物を“ちゃんと着る場”ではなく楽しむ場として、
定期的に着物イベントを開催しています。

着付けに自信がなくても大丈夫。
初めてでも、久しぶりでも大丈夫。

着物を通して、自分の時間を味わう。
そんな場です。

開催情報は、
Instagramでお知らせしています。

よかったら、
ふらっと覗いてみてくださいね。

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